WordPressセキュリティプラグインおすすめ【2025年版】

WordPressセキュリティプラグインおすすめ【2025年版】

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近年、Webサイトを取り巻くサイバー脅威は増加・多様化しています。中でもWordPressサイトは特に攻撃者に狙われやすい傾向があります。その理由は、WordPressが非常に普及しているためです。実際、世界中のWebサイトの約43%がWordPressで構築されており(2025年4月時点)、CMSの中で突出したシェアを占めます。サイト数が多い分だけ攻撃対象に選ばれる確率も上がるため、「人気ゆえに狙われやすい」のが現状です。また、WordPressはオープンソースでソースコードが公開されているため、脆弱性が見つかると世界中の攻撃者に迅速に共有されてしまうという側面もあります。

その結果、WordPress関連のセキュリティ事故は他CMSより桁違いに多く報告されています。専門機関Sucuriの調査によれば、Sucuriの顧客ベース(同社がクリーニングしたサイト)で、2019年にハッキング被害を受けたWebサイトのうち94.23%がWordPressサイトだったとのことです。この数字は2018年の90%からさらに増加しており、被害サイトのほとんどがWordPressという状況です。WordPressサイトがハッキングされると、サイトの改ざんや管理画面の乗っ取り、ユーザー情報漏洩など深刻な影響が及びます。最悪の場合、攻撃者によってサイト訪問者にマルウェアをばら撒かれたり、検索結果に「このサイトは危険」と表示されて信用と集客を失う事態にもなりかねません。企業サイトであれば顧客や取引先の個人情報が漏洩し、企業ブランドに大きな傷がつく恐れもあります。

しかし、WordPress自体が特別に脆弱なわけではありません。 多くのケースでは、サイト運営者側の対策不足が原因です。Sucuriの別の報告では、感染サイトの約60%がWordPress本体やプラグイン・テーマの未更新による脆弱性を突かれていたとされています。つまり適切なセキュリティ対策を施していれば、防げる攻撃が非常に多いのです。WordPressは便利で初心者でも扱いやすい反面、その手軽さゆえに基本的な防御策が疎かになりがちです。サイトの規模や知名度に関係なく、新規ブログであっても自動スクリプトによる無差別攻撃の対象になります。「自分のサイトは小さいから大丈夫」という油断は禁物です。

以上のように、WordPressサイトを安全に運営するには能動的なセキュリティ対策が不可欠です。次章では、初心者でもすぐ実践できる基本のセキュリティ対策を確認しましょう。その上で、より強固な保護を実現するセキュリティプラグインのおすすめを紹介していきます。

プラグインに頼る前に、WordPressサイト運営者なら必ず実行すべき基本対策があります。これらは手軽かつ効果が高いので、優先的に取り組みましょう。

  • WordPress本体・プラグイン・テーマの定期アップデート: 最も重要なのは常に最新バージョンを保つことです。ソフトウェアのアップデートには最新のセキュリティ修正が含まれるため、更新を怠ると新たに発見された脆弱性を突かれる可能性が高まります。実際、先述の通り古いバージョンを放置したことで侵入を許すケースが全体の半数以上を占めています。WordPressには自動更新機能もありますが、適用前に変更内容を確認しつつ、できればテスト環境で検証すると安心です。
  • 管理アカウントの適切な設定: 初期管理者ユーザー名が「admin」のままだと狙われやすいため、別の名前に変更しましょう。また管理者権限を持つユーザーは必要最小限に留め、不特定多数がログインできる状態は避けます。万一に備え、管理者メールアドレスは常に有効なものを設定しておき、不正ログイン検知の通知を受け取れるようにします。
  • 強力なパスワードの設定と定期変更: パスワードは英数字・記号を織り交ぜた推測されにくいものを設定し、少なくとも数ヶ月に一度は変更する習慣をつけましょう。誕生日や社名など類推されやすい文字列は厳禁です。パスワード管理ツールを活用すれば複雑な文字列でも無理なく運用できます。万が一パスワードが漏洩していても、変更を重ねていれば被害を受ける前に無効化できる可能性が高まります。
  • 不要なプラグインやテーマの削除: 使用していないプラグインやテーマは無効化ではなく削除まで行いましょう。有効化していなくてもファイルが残っていれば脆弱性経由で攻撃されるリスクがあります。定期的にプラグイン一覧を見直し、使っていないものは完全に削除します。プラグインやテーマの数は必要最低限に絞ることも大切です。数が多すぎるとサイト表示速度に悪影響を与えたり、同種機能の競合による不具合も起こりえます。
  • ログイン試行への制限: ブルートフォース攻撃(総当たりログイン)対策として、短時間に何度もログイン失敗したIPをブロックする設定を導入しましょう。プラグインなしでもサーバー設定やカスタムコードで対応できますが、後述するプラグインを使えば簡単に実装できます。加えて、管理画面のBasic認証(二重のID/PW要求)や特定IPからしかログインを許可しないIP制限も有効です。これらにより不特定の攻撃者から管理画面を守れます。
  • サイトの常時SSL化: Web通信を暗号化するSSL(HTTPS)はセキュリティの基本です。SSL証明書を導入し、WordPressサイト全体をHTTPS化しましょう。平文通信のままだと通信内容を盗聴されたり改ざんされる恐れがあります。現在ほとんどのホスティングで無料のSSL証明書が利用可能ですし、SEO的にもプラスになります。未対応の場合は早急にサーバー管理画面等で設定してください。

以上の基本対策を講じるだけでも、かなりの攻撃を未然に防ぐことができます。実際、WordPressサイトがハッキングされる原因の大半は上記のようなヒューマンエラーの積み重ねです。まずは土台を堅牢にした上で、さらなる防御策として次に紹介するセキュリティプラグインの力を借りると良いでしょう。

WordPressには数多くのセキュリティプラグインが存在しますが、ここでは特に人気の高い5をピックアップします。それぞれのプラグインについて、以下の観点で評価し比較しました。

  • 機能の充実度: 提供されるセキュリティ機能の幅広さと強力さ。サイト保護の包括性を評価。
  • 使いやすさ: 初心者でも設定・運用しやすいか。日本語対応の有無、UIの分かりやすさなどを評価。
  • パフォーマンス負荷: プラグイン導入によるサイト速度への影響の程度。軽量かどうかを評価。
  • 更新頻度・信頼性: 開発元のサポート体制やアップデート頻度。コミュニティからの信頼度を評価。
  • コストパフォーマンス: 無料版でどこまで使えるか。有料機能やその価格帯を含めた価値を評価。

各項目を5点満点(★5が最高)でスコアリングし、合計点(25点満点)を算出しました。1に5プラグインの評価結果をまとめます。

表1:主要セキュリティプラグイン5種の比較評価(★の数はスコアを示す)

プラグイン名機能充実度使いやすさパフォーマンス更新頻度・信頼性コスパ総合得点
All In One WP Security & Firewall
(オールインワンWPセキュリティ)
★★★★☆ (4)★★★★☆ (4)★★★★☆ (4)★★★★☆ (4)★★★★★ (5)21
SiteGuard WP Plugin
(サイトガード)
★★☆☆☆ (2)★★★★★ (5)★★★★★ (5)★★★★☆ (4)★★★★★ (5)21
Wordfence Security
(ワードフェンス)
★★★★★ (5)★★☆☆☆ (2)★★★☆☆ (3)★★★★★ (5)★★★★★ (5)20
Solid Security
(旧:iThemes Security)
(ソリッドセキュリティ)
★★★★★ (5)★★★☆☆ (3)★★★☆☆ (3)★★★★☆ (4)★★★★☆ (4)19
Sucuri Security
(スキュリ)
★★★☆☆ (3)★★★★☆ (4)★★★★★ (5)★★★★☆ (4)★★☆☆☆ (2)18

All In One WP Security & Firewall(以降AIOS)

All In One WP Security & Firewall(以降AIOS)は無料ながらログイン保護、ファイアウォール、スパム防止、ファイル変更検知など多岐にわたる機能を備え、総合力が高いです。日本語訳も用意され設定項目に難易度表示があるなど初心者にも配慮があります。やや専門用語が多いものの、公式解説や多くのブログで設定方法が紹介されており習得可能でしょう。

SiteGuard WP Plugin(サイトガード)

SiteGuard WP Plugin(サイトガード)は国産で管理画面の攻撃対策に特化したプラグインです。機能はログインページ変更や画像認証、IP制限など限定的ですが、その分軽量でシンプル、初心者でもすぐ使いこなせます。「日本語で直感的に操作でき、不正アクセスを簡単に防げる」プラグインとして高く評価されています。他の総合系プラグインと併用してログイン防御を強化する目的にも最適です。

Wordfence Security(ワードフェンス)

Wordfence Security(ワードフェンス)は世界で最も利用者の多いセキュリティプラグインで、有効インストール数は400万を超えています。WordPress専業のセキュリティ研究チームが開発・運用しており、防御力はトップクラスです。ファイアウォールとマルウェアスキャナー、リアルタイム監視やIPブロックリストなど「これ1つであらゆる対策が可能」な頼れる存在です。ただし機能が多い分、設定項目も膨大で初期設定にはやや知識が要ります。またスキャン実行時はサーバー負荷が高まる傾向があり、小規模サーバーでは注意が必要です。それでも無料版で基本機能は出し惜しみなく使え、全体としてコストパフォーマンスは非常に優秀です。

Solid Security(旧:iThemes Security)

Solid Security は老舗の総合プラグインで、30項目以上のセキュリティ強化機能を搭載しています。ファイル改ざん検知や2要素認証など高度な設定も可能で、上級者にも人気です。2023年には開発元が「SolidWP」に改称し、プラグイン名もSolid Securityへリブランドされました。機能面はWordfenceに匹敵しますが、日本語化はされておらずUIも英語中心のため、初心者にはハードルが高めです。また無料版で多く使えますが、より高度な機能利用や複数サイト利用には有料版(Pro版 $80/年~)が必要になります。

Sucuri Security(スキュリ)

Sucuri Security(スキュリ)はWebサイトセキュリティ会社Sucuri(現GoDaddy系列)が提供するプラグインです。無料でファイル監査・マルウェアスキャン・セキュリティ強化などを行えます。特にSucuri独自のクラウドWAFサービス(有料)と組み合わせると強力で、実際Kinstaなど多くの大手ホスティングでもSucuriのファイアウォールが推奨されています。プラグイン自体は軽量で扱いやすい反面、深い防御を実現するには年間数百ドルの有料プラン契約が必要になるため、コスト面の敷居は高めです。

上記の評価総合点にもとづき、特におすすめ度の高いトップ3のプラグインを発表します。

  1. All In One WP Security & Firewall(21点)
  2. SiteGuard WP Plugin(21点)
  3. Wordfence Security(20点)

AIOWPSとSiteGuardが同点でトップ評価となりました。どちらも無料ながら信頼性が高く、多くのユーザーに支持されています。それに続くWordfenceは総合3位ですが、世界的な人気・実績という意味ではトップクラスであり、本記事でも強くおすすめしたいプラグインです。

一方、iThemes SecurityやSucuri Securityも優秀なプラグインではあるものの、初心者目線での使いやすさや費用対効果の面で僅かにトップ3に及びませんでした。iThemesは高度であるがゆえに難易度が高く、Sucuriは無料部分だけでは機能が限定的という理由です。ただ、サイト規模や必要に応じてこれらを選ぶ選択肢もありますので、余裕があれば検討するとよいでしょう。

それでは、総合ランキング上位に選出した3つのプラグインについて、各プラグインの詳しい特徴と具体的なおすすめポイント(どんなサイト運営者に向いているか、導入時の注意点など)を解説していきます。

上位3プラグインの詳細(特徴と使い方のポイント)

All In One WP Security & Firewall(以下AIOS)は、その名が示す通りオールインワンの総合セキュリティプラグインです。世界的に大人気の無料プラグインで、インストール数は100万件を超えています。無料とは思えないほど多機能で、WordPressサイトのあらゆる弱点を補強できます。

  • 主な機能: ログイン保護(ログイン試行回数制限・ログインURL変更・2要素認証対応)、管理者ユーザー名検出防止、ファイアウォール(不審なアクセスやスクリプト攻撃の遮断)、スパムコメント防止、データベース接頭辞変更、ファイル変更検知・通知、ブラックリストIP管理、バックアップ支援など。さらに管理画面上で現在のセキュリティ強度をスコア表示する機能もあり、設定を有効にしていくごとに点数が上がっていく仕組みでモチベーションも保てます。
  • 使いやすさ: 機能が多いぶん設定項目も多岐にわたりますが、各設定には初級・中級・上級と難易度ラベルが付記されており、初心者は「基本(初級)」とマークされた項目から順に有効化していけばOKです。インターフェースも日本語化されており、メニューがカテゴリごとに整理されているため迷子になりにくいでしょう。公式開発チームは有名バックアッププラグインUpdraftPlusのチームでもあり、サポート体制もしっかりしています。ユーザーレビューでも平均4.7/5と非常に高く「初心者から上級者まで使える」と評価されています。
  • おすすめポイント: 「セキュリティ対策は何から手を付けて良いか分からない」という初心者にまず最初に導入して欲しいプラグインです。WordPress運用上の基本的な弱点はAIOWPSだけでほぼ網羅できます。特にログインページ周りの防御強化(ID/パスワードの総当たり攻撃対策)は導入直後に効果を発揮するでしょう。設定画面で「おすすめ(推奨)」と記載された項目はぜひ有効化してください。例えば「ログイン試行回数の制限」「管理者ユーザー名の変更」「ファイヤーウォール基本ルール適用」「ファイル変更検知」あたりは初心者でも比較的容易に設定できます。
    なお機能を必要以上に有効にしすぎると、稀に他のプラグインと競合したり自サイトの正常動作に支障をきたす場合もあります。設定ごとに説明をよく読み、意味が分からない高度な設定は無理に有効化しないほうが安全です。AIOWPSは多機能ゆえ難易度は若干高めですが、Web上に解説記事や設定ガイド動画も豊富なので、それらを参考に少しずつ最適化していくと良いでしょう。一通り設定を済ませれば、日常的な監視や防御はほぼ自動で行ってくれる頼れる相棒になります。

SiteGuard WP Plugin(サイトガード)は、日本のセキュリティ企業JP-Secureが提供する国産セキュリティプラグインです。特に管理画面への不正アクセス対策に焦点を当てており、初心者でも手軽に導入できます。WordPress公式ディレクトリでの有効インストール数は現在50万件超と、日本を中心に多くのサイトで利用されています。

  • 主な機能: ログインページURLの変更(wp-login.phpをランダムな文字列に変更)、ログイン時の画像認証(CAPTCHA)追加、ログイン試行回数オーバー時の自動ロックアウト、ログインアラートメール通知、管理ページへのIP制限(未ログインユーザーからwp-admin配下へのアクセスを遮断)、ピンバック無効化やユーザー名漏洩防止(/?author=アクセスブロック)など。機能を有効化するだけでWordPress標準のログイン機能を多重に防御してくれます。
  • 使いやすさ: 設定が非常にシンプルなのが特徴です。プラグインをインストール・有効化すると、推奨設定がほぼ適用された状態になります。必要に応じて「ログイン通知を有効にする」「画像認証の文字種を選ぶ」などの簡単なチェックを入れる程度でOKです。管理画面は完全に日本語対応しており、説明も平易なので初心者でも迷うことは少ないでしょう。「SiteGuardのおかげで初心者でも簡単に不正アクセスを防げる」と評価する声も多いです。
  • おすすめポイント: サイトガードは「まずは最低限のセキュリティ措置をすぐ講じたい」という方にうってつけです。機能はログイン周りに限られますが、その分サイトへの負荷も軽微でトラブルも起きにくいです。特に国内ユーザーには、日本語ドキュメントやサポート情報が充実している安心感があります。「WordPress管理画面の不正ログインさえ防げれば十分」という小規模サイトなら、本プラグイン単体でも効果があります。加えて、SiteGuardは他のセキュリティプラグインと併用されるケースも多いです。例えば前述のAIOWPSやWordfenceと一緒に使うことで、AIOWPS/Wordfence側のログイン制限機能をオフにしてSiteGuardに任せる、といった使い分けも可能です(競合する機能は重複させないよう注意)。JP-Secure社自身が開発・更新を続けており、新しいWordPressバージョンや脆弱性情報にも素早く対応しています(直近の公式アップデート情報も最新WP6.8.2まで検証済みと明記)。総じて、「とりあえず導入すれば安心感が違う」存在として初心者に強くおすすめできるプラグインです。

Wordfence Security(ワードフェンス)は、WordPressユーザーなら一度は名前を聞くであろう超定番セキュリティプラグインです。全世界での有効インストール数は400万~500万とも言われ、事実上WordPress向けセキュリティプラグインの標準といえる存在です。「Wordfenceは世界で最も人気のあるWordPress用ファイアウォール&セキュリティスキャナー」と公式でも謳われています。

  • 主な機能: Wordfenceはエンドポイント型のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)マルウェアスキャナーを中核としています。WAFはWordPress上で実行され、悪意あるアクセスや攻撃パターンをリアルタイムに検知・ブロックします。マルウェアスキャナーはサイトのファイルやデータベースを定期スキャンし、ウイルス感染や不正改ざんがないかチェック・駆除してくれます。また管理画面ログインの強化(ログイン試行回数制限や2段階認証対応)、ライブトラフィックモニター(現在サイトにどんなアクセスが来ているか可視化)、IPブロックリスト(既知の悪質IPからのアクセス遮断※有料版機能)など、多彩な機能を備えています。無料版でも基本的なファイアウォールとスキャンは利用可能で、有料版ではルール/シグネチャの即時アップデートやIPブロックリストなどが追加されます。
  • 使いやすさ: 導入から基本防御が効くまでの設定は比較的シンプルです。プラグイン有効化後、ウィザードに従ってメールアドレス登録と基本設定を行えば、ファイアウォールとスキャナーが自動的に稼働し始めます。ただし詳細なチューニングをしようとすると非常に多くのオプションがあります。英語ベースのUIで専門用語も多いため、初心者がすべての機能を活用するのは容易ではありません。まずはデフォルトのまま使い、レポートに目を通しながら徐々に設定を調整していくのがおすすめです。なお日本語の情報源も豊富で、設定解説記事やQ&Aフォーラムなどが充実しています。それだけユーザー数・実績が多い証拠と言えるでしょう。
  • おすすめポイント: Wordfence最大の強みは、リアルタイムで進化する防御力です。開発元の会社はWordPressセキュリティの研究に特化しており、世界中の新たなマルウェアや攻撃手法を日々分析してはファイアウォールルールやマルウェアシグネチャを更新しています。有料版であればその最新ルールが即時適用され、無料版でも30日遅れとはいえ順次提供されます。これはつまり、Wordfenceを導入しておけばゼロデイ攻撃への初動対応も自動で行われる可能性が高いということです。無料でもこの恩恵を受けられるのは大きなメリットです。
    Wordfenceは中~大規模サイトグローバルにビジネス展開するサイトに特に向いています。高度なマルウェア検知やファイアウォール設定を駆使すれば、一般的な攻撃はもちろん標的型の巧妙な攻撃にも備えることができます。ただし注意点として、Wordfenceはサイト内でPHPによるスキャンを行うため、サーバー性能が低い場合は処理が重くなることがあります。共有レンタルサーバーなどで導入する際は、一度試験的にスキャンを走らせて負荷を確認すると良いでしょう。また、Wordfenceを入れた場合は他の総合セキュリティプラグインと併用しないことが推奨されます(機能重複による競合や過剰防衛で不具合が起きる可能性があるため)。SiteGuardのようなログイン専門プラグインとの組み合わせは許容されますが、All In One WP Securityなど類似の総合プラグインとは一長一短なので基本は単独運用が無難です。
    Wordfence導入後は、管理画面の「Firewall」「Scan」「Live Traffic」といったメニューを定期的に確認し、ブロックされた攻撃や検出された問題のログをチェックしましょう。不審なファイルが見つかった場合はWordfenceから直接削除することも可能です。こうしたモニタリングを通じて、自サイトにどんな攻撃が来ているか知ることはセキュリティ意識向上にもつながります。「攻撃を見えないままにしない」——Wordfenceはまさにサイトのセキュリティガードマンとして24時間働いてくれる頼もしい存在です。

WordPressのセキュリティ対策は、サイト運営者が必ず向き合うべき重要課題です。幸い、初心者でも実践できる基本対策や便利なプラグインが豊富に用意されています。本記事ではまず更新やパスワード管理などの基礎を固め、その上で信頼性の高いプラグインを活用する方法を解説しました。紹介したプラグインを導入すれば、ログイン攻撃からマルウェア対策まで包括的な防御網を構築できます。

ただし闇雲にプラグインを入れすぎるのは逆効果です。プラグイン同士の相性やサイト速度への影響も考慮し、必要な機能を見極めて最小限の構成にとどめましょう。例えば「まずはAll In One WP Securityで基本を固め、不足をSiteGuardで補う」「Wordfence一つに任せて他は入れない」といった形でも十分です。また、プラグインに頼りすぎず日々のサイトの状態チェック定期バックアップの実施も忘れずに行ってください。バックアップは万一被害に遭った際の最後の砦となります。

適切なセキュリティ対策を講じておけば、たとえ小規模サイトでも大半の攻撃は自動的にブロックされ、安心して運営を続けられます。何より重要なのは「自分のサイトは自分で守る」という意識です。ぜひ本記事を参考に、できることからセキュリティ強化に取り組んでみてください。そして継続的な対策であなたの大切なWordPressサイトを脅威から守り抜きましょう。

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